【実証済み】マグネシウム不足とかゆみの関係とは?そのメカニズムと改善法を解説

【実証済み】マグネシウム不足とかゆみの関係とは?そのメカニズムと改善法を解説

マグネシウムが不足すると肌のバリア機能が低下することで、乾燥や炎症が発生しやすくなり、かゆみを引き起こすことがあります。

この記事では、マグネシウム不足がかゆみとどのように関係しているのか、そのメカニズムや効果的な改善方法について詳しく紹介していきます。

日常生活で取り入れやすい対策を知り、かゆみの悩みを解消しましょう。

マグネシウム不足とかゆみの関係は?

【実証済み】マグネシウム不足とかゆみの関係とは?そのメカニズムと改善法を解説

なぜマグネシウムが不足するとかゆみが生じることにつながるのか?

それを解明するために、マグネシウムが皮膚にどのような働きをしているのか、またマグネシウム不足でどのようにかゆみが生じるのかの仕組みについて解説します。

マグネシウムの皮膚への働き

体内の約800種類以上もの化学反応に影響を与え、私たちにとって必須ミネラルであるマグネシウム。その働きは多岐にわたっています。

  • エネルギー代謝のサポート
  • 骨の形成・強度の維持
  • 体温や血圧の調節
  • 筋肉の弛緩
  • 便秘の改善
  • 神経伝達のコントロール

さらに、マグネシウムは皮膚にとって重要なミネラルであり、その主な働きは以下の4つです。

肌のバリア機能をサポート

マグネシウムは肌を外的刺激から守るバリア機能を強化しています。これにより、乾燥や外部の有害物質から肌を守り、健康的な肌を保つ役割を果たします。

さらに、アトピー性皮膚炎の症状軽減にも寄与しています。

抗炎症作用

マグネシウムには、炎症を抑える作用があります。肌の炎症や赤み、かゆみを軽減し、肌荒れを予防します。ニキビの症状を和らげる効果も期待できます。

保湿効果

マグネシウムは肌の水分バランスを保ち、乾燥を防ぐのに役立ちます。これにより、肌が柔らかく潤いを保つことができます。

細胞の新陳代謝を促進

マグネシウムは、肌細胞のターンオーバーを助け、古い角質を取り除き、新しい健康な肌細胞の生成を促進します。これにより、肌が明るく滑らかになります。

つまり、マグネシウムは肌のありとあらゆる活動に関与しており、肌の健康維持に欠かせない存在と言えます。

こちらの記事では、マグネシウムが肌に及ぼす働きや効果についてより詳しく解説しています。ぜひご参考にしてください。

マグネシウムスキンケア マグネシウムでスキンケア!高保湿で肌バリアUP!アトピーからUVケアまで!

参照:
意外に知らないミネラルの話~マグネシウムにさまざまな効能~|時事メディカル
第9回 乾燥肌のメカニズムとマグネシウムの効果 | 青山・表参道にある青山ヒフ科クリニック

マグネシウム不足でかゆみが生じるメカニズム

かゆみが生じる原因はアレルギー反応や糖質過剰、ヒスタミンの多い食品の摂取などさまざまですが、その要因の一つにマグネシウム不足が挙げられます。

先ほどお伝えしたように、マグネシウムは肌のバリア機能を高めたり、炎症を鎮めたり、乾燥を防ぐなど、肌の健康維持において重要な役割を果たしています。

皮膚にとって有効なマグネシウムが不足してしまえば、肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激やアレルゲン、細菌などが肌に侵入しやすくなってしまうのです。

その結果、これらの異物が免疫細胞と反応してアレルギー性の炎症を引き起こします。

【実証済み】マグネシウム不足とかゆみの関係とは?そのメカニズムと改善法を解説

さらに悪いことに、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、肌はよりかゆみを感じやすい状態に。そんな敏感な肌を掻くことによって、さらに「バリア機能が低下する」→「異物が侵入しやすくなる」→「かゆみを感じる」→「肌を掻く」という悪循環に陥ってしまいます。

つまり、マグネシウム不足が続くと肌のバリアが弱まることで異物が侵入しやすくなってしまい、炎症や乾燥が起こることでかゆみが発生しやすくなるのです。

マグネシウムとかゆみの関係について、より詳しく知りたい方は以下の記事も一緒にお読みいただくと理解が深まるでしょう。

マグネシウム かゆみ なぜか肌がかゆい!かゆみ肌にマグネシウムが注目される理由!

参照:
皮脂欠乏性湿疹とは | アトピー・敏感肌用保湿剤・化粧水の専門企業アトピーラボ
疾患と栄養|貧血(鉄不足)やアトピーなどは西宮の甲子園栗木皮膚科クリニック

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の原因

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マグネシウムは肌の健康維持だけでなく、私たちの体や命にとって欠かすことのできない必須ミネラルだといえます。

しかし、現代の食生活やライフスタイルの影響で、マグネシウム不足が広がっています。

そこで、これからでも対処できるマグネシウム不足の代表的な原因を3つ挙げます。

  • 不適切な食生活
  • ストレス
  • 飲酒

以下で一つずつ解説していきます。

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の原因1:不適切な食生活 

食の欧米化が進んだことで加工食品やファーストフードが多くなり、マグネシウムが豊富な食品(例えば、海藻類、ナッツ、全粒穀物、緑の葉野菜)が不足する傾向にあります。

外食や便利さを求めるあまり、栄養価の低い食事を選ぶことが多いと結果的にマグネシウムの摂取量が減少してしまいます。

できる限りバランスのいい食事を心がけ、コンビニなどを利用する際はマグネシウムが豊富な食品を摂るなどするとよいでしょう。

こちらではコンビニでも買えるマグネシウム食品を10品紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

コンビニで買えるマグネシウム食品10選!手軽にマグネシウム補給!

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の原因2:ストレス

ストレスは体内のマグネシウムの消費を増加させる要因の一つです。

ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れ、マグネシウムが多く必要になることがあります。そのため、慢性的なストレスを抱えると、マグネシウム不足が進行しやすくなってしまうのです。

仕事や学業、家事、育児などで日々を忙しく過ごす現代人にとって、ストレスは避けては通れない問題です。それゆえ、意識的に休みをとるようにしたり、自分ひとりの時間をあらかじめスケジューリングしたり、時には仕事をはなれて趣味やプライベートの時間に没頭するなど積極的に「休む」ということも重要視していただきたいと思います。

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の原因3:飲酒

アルコールの過剰摂取もマグネシウム不足を招く原因の一つです。

アルコールは腸からのマグネシウムの吸収を妨げるだけでなく、尿中への排出を促進するため、体内のマグネシウムが減少します。特に毎日大量に飲酒する習慣がある人は注意が必要です。

適度なアルコール摂取はストレス解消につながることもあるかもしれませんが、何事も適量大切です。可能であれば休肝日を設けたり、アルコールフリーの飲料で代用するなどして、過剰摂取にならないよう工夫するとよいでしょう。

以上のように、マグネシウム不足はさまざまな要因によって引き起こされます。

マグネシウム不足にならないよう、定期的に食習慣や生活習慣を見直していくことが重要です。

マグネシウム不足とかゆみの関係:論文をご紹介

【実証済み】マグネシウム不足とかゆみの関係とは?そのメカニズムと改善法を解説

ここでは、マグネシウムとかゆみの関係について科学的に実証されている論文をご紹介します。

マグネシウム不足とかゆみの関係 論文①マグネシウムは肌の炎症を改善する

【PubMed】に掲載された研究では、マグネシウムが肌の炎症に関係しており、マグネシウムを投与することで、皮膚の炎症が改善されたと報告しています。

“Magnesium is an important micronutrient essential for various biological processes and its deficiency has been linked to several inflammatory disorders in humans. 
Topical magnesium delivery is one of the oldest forms of therapy for skin diseases, for example Dead Sea therapy and Epsom salt baths. 
Some anecdotal evidence and a few published reports have attributed amelioration of inflammatory skin conditions to the topical application of magnesium.”

マグネシウムは様々な生物学的プロセスに不可欠な重要な微量栄養素です。そして、マグネシウム不足はいくつかの炎症性疾患と関連しています。
マグネシウムの局所投与は、死海療法(※1)やエプソム塩浴(※2)など、皮膚疾患に対する最も古い治療法の1つである。
マグネシウムの局所投与によって炎症性皮膚疾患が改善されたという事例や報告もいくつかあります。

※1 イスラエルとヨルダンにまたがる「死海」という塩湖の特殊な環境を利用した治療法。死海の水は塩分濃度が非常に高く、通常の海水よりも10倍ほどの塩分を含んでいます。この高い塩分濃度と死海周辺のミネラルが豊富な環境が、さまざまな皮膚疾患や関節の問題を改善するのに効果があるとされています。

※2 エプソム塩浴とは、エプソム塩(エプソムソルト)と呼ばれる硫酸マグネシウムをお風呂に入れて浸かる入浴法です。エプソム塩は、通常の食塩とは異なり、ミネラルであるマグネシウムと硫酸塩でできており、体に良い影響を与えるとされています。

参照:Permeation of topically applied Magnesium ions through human skin is facilitated by hair follicles

マグネシウム不足とかゆみの関係 論文②マグネシウムはアトピーを軽減する

Acta Dermato-Venereologicaに掲載された研究では、マグネシウムがアトピー性皮膚炎の症状を軽減する可能性があることを示唆しています。

対象アトピー性皮膚炎と診断された患者100名
方法患者は二つの皮膚部分にそれぞれ異なるクリームを塗布する。片側にはCer-Mg(マグネシウム)を、反対側にはヒドロコルチゾンまたはエモリエントクリームを使用。
期間6週間
結果【症状の改善】 6週間後、Cer-Mgクリームはヒドロコルチゾンと同等の効果が認められ、両者ともエモリエントクリームよりも優れた改善が見られました。
【皮膚の水分保持】 Cer-Mgは皮膚の水分保持能力を改善し、天然保湿因子の維持にも効果がありました。

この研究はセラミドとマグネシウムの組み合わせが、アトピー性皮膚炎の非ステロイド治療として有望であることを示唆しています。
さらに、マグネシウムは皮膚のバリア機能を改善し、アトピー性皮膚炎の症状を軽減する可能性があります。
参照Efficacy of a Cream Containing Ceramides and Magnesium in the Treatment of Mild to Moderate Atopic Dermatitis: A Randomized, Double-blind, Emollient- and Hydrocortisone-controlled Trial

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法3選

【実証済み】マグネシウム不足とかゆみの関係とは?そのメカニズムと改善法を解説

最後にマグネシウム不足によりかゆみを改善するための3つの方法について、お伝えします。

  1. マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法:食事
  2. マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法:サプリメント
  3. マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法:経皮吸収

一つずつ順を追って見ていきましょう。

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法1:食事

まずみなさんが思い浮かぶのが、食事による改善ではないでしょうか?

ご想像のように栄養バランスのとれた食事からのマグネシウムの摂取が、体にとっては一番自然な方法となります。

毎回マグネシウム量を計算して食事を用意するのは現実的ではありませんし、そのような時間をとることも難しいでしょう。

したがって、まずは加工食品やファストフードをできる限り減らしていき、マグネシウムが豊富な食品を一食に1品取り入れるだけでも栄養バランスは改善されるはずです。

マグネシウムが豊富な食品については以下の記事にまとめられていますので、今後の食事改善の参考として、ぜひお目通しください。

マグネシウムが豊富な食品の効果とは?摂取のコツと注意点も

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法2:サプリメント

食事からマグネシウムを十分に摂取するのが難しい方や、より効果的にマグネシウムを摂取したい方には、サプリメントの利用が日常生活に取り入れやすい選択肢かもしれません。

ただし、サプリメントの構造によってはあまり吸収されないだけでなく、肝臓などの消化器や泌尿器系などに負担をかけてしまう場合もあるので注意が必要です。

そのため、サプリメントでマグネシウムを補うには『吸収率に着目した』サプリメントを選ぶようにしましょう。細胞膜と同じ成分であるリポソームを活用した「マグリポ」であれば、吸収率も高く純日本産のマグネシウムサプリメントであるため安心安全です。

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法3:経皮吸収

肌からのマグネシウムの吸収は入浴やバーム、クリームの塗布で行われます。

たとえば、マグネシウムを豊富に含むエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を用いた入浴は、リラックス効果だけでなく、肌から直接のマグネシウム補給を期待できます。

さらに、マグネシウムを含むバームやクリームも販売されており、これらを直接気になる箇所に塗ることでピンポイントでマグネシウムを供給することが可能になります。

この方法は先ほどの研究報告にもあったように、アトピー性皮膚炎や乾燥肌などの皮膚トラブルを抱える人にとって有効な手立てと考えられます。

もしご興味がある方は、100%天然由来で防腐剤や合成界面活性剤などは一切使っていないマグバームをお試しになってみてください。肌がピリピリすることもなく、お肌にやさしい設計になっています。

まとめ

今回はマグネシウム不足とかゆみの関係について、解説してきました。

マグネシウム不足によって、肌のバリア機能が低下し、さまざまな肌トラブルが誘発されることがご理解いただけたかと思います。

これを機にお肌のかゆみやトラブル改善は、毎日のお手入れや美容だけでなく、「マグネシウムの摂取」という観点からも見直していただくとよいのではないでしょうか。

ぜひ日々のお肌の健康維持にマグネシウムの摂取を取り入れてみてください。