「エプソムソルトの成分は?」
「ソルトってことは、塩が入っているの?」
「肌に使っても安全?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
エプソムソルトは多くの著名人やアスリートにも愛用されており、入浴剤として知られています。
特に美容や健康・リラクゼーションにこだわりのある人々の間で人気が高く、その効果や使用感がSNSなどで話題になることもあります。
メディアや雑誌などでもよく取り上げられるエプソムソルトが、実は「塩ではない」ことをご存知でしたか?
今回はエプソムソルトの成分や効果、安全性、使い方などをわかりやすく解説します。

【由来や特徴】エプソムソルトとは?

エプソムソルトは、硫酸マグネシウム(MgSO₄)という成分からできた無機化合物で、日本語では「エプソム塩(えん)」と呼ばれることもあります。
「ソルト」という言葉が入っていますが、「塩(しお)」ではなく、食塩(塩化ナトリウム)は含まれていません。
もともとは15世紀のイギリス・エプソム地方の鉱泉で発見され、白く結晶化した見た目が食塩に似ていたことから「エプソムソルト」と名づけられました。
また硫酸マグネシウムという名前に「硫酸」が含まれていることから、「酸性なのでは?」「肌に刺激が強そう」と誤解されがちですが、中性の水溶性ミネラルで肌にやさしい性質を持っています。
入浴剤として世界中で利用されており、特に美容・健康を意識する方々の間で広がっています。
エプソムソルトについての詳細は以下の記事で解説していますので、こちらも合わせてご覧ください。

エプソムソルトの成分は「硫酸マグネシウム」

エプソムソルトの主成分は「硫酸マグネシウム」であり、人体にとって必須ミネラルのひとつであるマグネシウムと、硫酸イオンから成る無機化合物です。
マグネシウムは神経伝達や筋肉の収縮、エネルギー代謝に深く関わる重要な栄養素であり、入浴時に皮膚から経皮吸収されることで、体内バランスを整える役割を果たします。
硫酸マグネシウムは自然界では海水や鉱泉などに含まれ、医療現場では便秘薬や点滴のマグネシウム補給剤として使われるなど、安全性が高く、用途の広いミネラルとして知られています。
エプソムソルトは合成添加物を含まず、自然由来のミネラルのみで構成されているため、敏感肌の方でも比較的安心して使えるのがメリットです。
エプソムソルトの成分に期待できる5つの効果

エプソムソルトの成分である硫酸マグネシウムの働きで、以下の5つの効果が期待できます。
- 筋肉の緊張をほぐす
- ストレスを緩和する
- 睡眠の質を向上する
- デトックスをサポートする
- 肌の調子を整える
一つずつ詳しく解説していきます。
筋肉の緊張をほぐす
マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩に関わる重要なミネラルで、筋肉のこわばりや疲労をやわらげる働きがあります。
入浴により経皮吸収されたマグネシウムが筋肉に作用し、コリや痛みの緩和をサポートします。
ストレスを緩和する
マグネシウムは神経伝達を調整し、リラックス効果をもたらすとされています。
現代人に不足しがちなマグネシウムを肌から補うことで、入浴時の精神的な安らぎに加えて、自律神経のバランスを整え、ストレスによる緊張や不安感を軽減する働きがあるとされています。
睡眠の質を向上する
マグネシウムはメラトニンの生成にも関与しており、質の高い睡眠を促す効果があります。就寝前にエプソムソルトを入れた湯船に浸かることで、心身ともにリラックスし、入眠しやすくなるだけでなく、深く眠れる効果が期待できるでしょう。
デトックスをサポートする
エプソムソルトには浸透圧を利用して体内の老廃物や毒素の排出を促す効果も期待されます。
汗とともに不要な物質が体外に出やすくなるため、デトックス目的で利用する方も少なくありません。
肌の調子を整える
硫酸マグネシウムは、皮膚の炎症を鎮めたり、角質を柔らかくしたりする作用があります。そのため、乾燥肌や敏感肌の方にも適しており、入浴後はしっとりとした滑らかな肌触りを感じられるはずです。
毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビや肌荒れの予防にも寄与すると考えられています。
さらに詳しくエプソムソルトの効果について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

エプソムソルトと塩化マグネシウムはどちらが良い?

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)ほど一般的ではありませんが、塩化マグネシウムも「マグネシウムフレーク」や「マグネシウムオイル」として入浴剤やスキンケアのアイテムとして利用されています。
どちらが自分に適しているのか、以下の一覧で両者の違いを見ていきましょう。
項目 | エプソムソルト | 塩化マグネシウム |
主な成分 | 硫酸マグネシウム | 塩化マグネシウム |
吸収率 | 中程度 | 高い |
肌への刺激 | 少ない | まれにピリつきを感じる人も |
主な用途 | 入浴、リラックス | 経皮吸収サプリ、入浴、スキンケア |
成分の特徴 | 中性、無臭 | やや塩気あり、保湿性が高い |
塩化マグネシウムは体内での吸収率が高く、皮膚からの吸収(経皮吸収)にも適しています。
サプリメントやコスメとして使用されることが多く、肌を保湿したり、筋肉痛や炎症の緩和もサポートしてくれます。
また、経口摂取する場合は、便秘の緩和や消化器系のトラブルの軽減に効果的とされており、近年ではうつ病の改善に関する研究などもされています。
一方エプソムソルトは、肌への刺激が少ないことや、塩素を含まないためバスタブを傷めないことがメリットなので、入浴剤として使用するのがおすすめです。
どちらが良いかは使う目的によって異なりますが、「リラックスや肌にやさしい入浴剤」を求めるならエプソムソルト、「吸収効率と体の内側からの健康効果」なら、塩化マグネシウムを選ぶと良いでしょう。
こちらの記事では硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム以外のマグネシウムの種類についても解説していますので、より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

エプソムソルトの成分と他の入浴剤の成分比較
エプソムソルトの成分と他の入浴剤の成分の違いを表したのが、以下の一覧です。
種類 | 成分 | 主な効果 | 特徴 |
---|---|---|---|
エプソムソルト | 硫酸マグネシウム | 筋肌緩和、角質ケア | 無香料無着色 |
バスソルト(海塩・岩塩) | 塩化ナトリウム | 発汗、温め效果 | ミネラルが多い |
重曹 | 炭酸水素ナトリウム | 血行促進、臭いの除去 | 弱アルカリ性で皮脂を落とす |
クエン酸 | クエン酸 | 美肌効果、疲労回復 | 弱酸性、敏感肌向け |
市販の一般的な入浴剤には、香料、着色料、防腐剤などの合成成分が含まれている場合がありますが、エプソムソルトは硫酸マグネシウムのみで構成されており、添加物を含まない点が大きな特徴です。
また、エプソムソルトは、ナトリウムではなくマグネシウムを豊富に含んでおり、皮膚を通じてのミネラル補給が期待される成分であるだけでなく、塩化ナトリウムとは異なり塩素を含んでいないので、バスタブを傷めにくいと言えます。
塩化ナトリウムベースの入浴剤には「追い焚き不可」や「風呂釜を傷める恐れがあるため使用後はすぐ洗い流してください」のような注意喚起がされていることがあるため、利用する際にはよく確認しましょう。

硫酸マグネシウム(エプソムソルト)は、塩化ナトリウムや塩化マグネシウムと同様に、配管や浴槽設備に対してある程度の腐食性があり、蓄積される性質があります。
これはすべて濃度の問題であり、適切な量(1回の入浴につき1〜2カップ)を使用すれば大きな問題はありませんが、週に2回以上の頻度で使用すると、徐々にミネラルの蓄積が見られることがあります。
成分から見るエプソムソルトの安全性と使用方法

エプソムソルトは経皮吸収により体内にマグネシウムを取り入れる方法としては、安全性が高いと考えられています。
食品グレードの製品も存在し、医療や農業用途にも用いられていることから、その信頼性は高いと言えるでしょう。
ただし、一度に大量に使用すると体調に影響を及ぼす可能性もあるため、1回の入浴あたり150〜300g程度を目安に使用することが推奨されています。
特に、妊娠中の方や高血圧の方は、使用前に医師へ相談することが望ましいでしょう。
また、アトピー性皮膚炎や乾燥肌、傷がある場合はヒリヒリ感やかゆみを伴うこともあるため、心配な場合は事前に少量でパッチテストを行うようにしましょう。
エプソムソルト以外でも経皮吸収によりマグネシウムを手軽に取り入れたい方には、マグネシウム入りのクリームやバームのような「塗るマグネシウム」を検討してみてもいいかもしれません。
入浴できない日や日中でもケアできるので、気軽に使用できて便利ですよ。

まとめ:エプソムソルトの成分を正しく知って、賢く取り入れよう
エプソムソルトの成分である硫酸マグネシウムは、古くから安全に利用されてきた天然のミネラルです。
筋肉の弛緩やストレス緩和、デトックス、美肌、睡眠の質の向上など多岐にわたる効果が期待され、使い方もお風呂に入れるだけで簡単。
また、添加物を含まない自然派成分であることから、安心して取り入れやすい点も魅力です。
肌にやさしい入浴ケアとして、毎日のバスタイムにぜひ取り入れてみてください。