マグネシウムと咳の意外な関係⁉︎仕組みや論文などもご紹介

今回はマグネシウムと咳(せき)の関係性やマグネシウムが咳に効果的と考えられる理由、マグネシウムの正しい摂取方法などをご紹介していきます。

最後までお読みいただければ、マグネシウムが咳を鎮めるのに効果的と考えられる理由がわかり、ご自身の健康管理に役立てられるはずです。

ぜひご参考にしてみてください。

マグネシウムと咳の関係は?

マグネシウムと咳の意外な関係⁉︎仕組みや論文などもご紹介

私たちが日常生活を送っていてあまり意識することのない「マグネシウム」と、誰もが経験したことのある「咳」。

この2つがどうして関係あるのか、不思議に思いませんか?

この謎を紐解くために、まずはマグネシウムの働きと咳が出る仕組みについてお伝えしたいと思います。

マグネシウムの働き

マグネシウムは体内の約800種類以上もの化学反応に影響を与えており、数々の研究から以下のような働きがあることがわかっています。

  • 骨の形成
  • 肌の保湿・保護
  • 睡眠の質向上
  • ダイエット効果
  • 便秘の改善
  • 血糖値の調整
  • ストレスの低減
  • 体温や血圧の調整
  • 筋肉の弛緩

このように様々な働きをもつマグネシウムですが、今回注目していただきたいのは最後にご紹介した「筋肉の弛緩」という点です。

マグネシウムは「筋肉が収縮後に弛緩するのを助ける働きがある」このことをまずは覚えておいてください。

マグネシウムと筋肉の関係については、下記の記事でさらに詳しくお伝えしています。

筋肉とグネシウムの関係:マグネシウム不足チェックも!

咳が出る仕組み

咳は吸い込んだ空気に入ってきた異物を体の外に追い出すために起こる、生理的な現象です。

風邪のウイルスやホコリ、花粉、煙などの異物を体の外に出そうとするのは、体にもともと備わっている防御反応といえます。その他にも、咳が出る仕組みとして自律神経に関わるものがあります。

自律神経はわたしたちの呼吸や体温、心臓や血管の動き、消化の働きなど、体内の特定のプロセスを自動的に調整してくれているのです。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、それぞれの特徴を表にしたものが以下の一覧です。

自律神経の種類活動が盛んな時間帯気管支の状態
交感神経昼間拡張され空気が通りやすくなる
副交感神経夜間昼間に比べて狭くなる

さて、ここで少し思い出してみて欲しいのですが、夜になると風邪でもないのに咳が止まらなくなった経験がある方はいらっしゃらないでしょうか?

この理由は、先ほどの表を見ると説明がつきます。交感神経が優位で活発に動く昼間は、よりたくさんの酸素を取り込むため気管支が拡張されて、空気が通りやすくなっています。

つまり、咳が出にくい状態です。しかし、夜になると副交感神経が優位になり、気管支は昼間に比べて狭くなってしまうため、咳が出やすくなるのです。

マグネシウムが咳を鎮めると考えらえるメカニズム

マグネシウムと咳の意外な関係⁉︎仕組みや論文などもご紹介

では、いよいよマグネシウムと咳の関係性について考えていきましょう。

マグネシウムの働きの一つに「筋肉が収縮後に弛緩するのを助ける」というものがあったかと思います。また、先ほど咳が出る仕組みでお伝えしたように、咳が出る要因としては「気管支が狭くなる」ということが挙げられます。

そして、気管支には平滑筋という種類の「筋肉」が含まれているのです。つまり、筋肉を弛緩する働きをもつマグネシウムを摂取すれば、気管支の筋肉を緩めることができ、空気が通りやすくなって咳を鎮めることにつながると考えられます。

マグネシウムと咳の意外な関係⁉︎仕組みや論文などもご紹介

マグネシウムと咳の関係:論文をご紹介

マグネシウムと咳の意外な関係⁉︎仕組みや論文などもご紹介

日本と比べて海外ではマグネシウムに関する多くの研究や実験がおこなわれています。

今回はその中でも、咳に関連している2つの論文をご紹介させていただきます。

マグネシウムと咳の関係 論文①マグネシウムは咳を抑制する

【PubMed】に掲載された研究では、全身麻酔予定の患者へマグネシウムを注射することで、咳を抑制する可能性があることが示されました。

方法

麻酔薬として用いられるスフェンタニルを急速静注すると、患者の咳を誘発することがあります。
そこで、スフェンタニルによる全身麻酔での手術が予定されていた患者を3つのグループに分けて、「50mlの生理食塩水」「30mg/kgのMgSO4」「50mg/kgのMgSO4」のいずれかを注射しました。MgSO4(硫酸マグネシウム)は通常生理食塩水で50mlに希釈したものを使用。
注射の1分後、すべての患者に5秒以内に1.0μg/kgのスフェンタニルを注射し、スフェンタニル注射の30秒後に咳の発生率と重症度を記録しました。

参加者

全身麻酔での手術が予定されていた患者165名

結果

咳の発生率は以下の通りでした。
(A)50mlの生理食塩水を注射した患者:47.1%(B)30mg/kgのMgSO4を注射した患者:16.4%(C)50mg/kgのMgSO4を注射した患者:7.6%
(A)と比較して、(C)は軽度の咳の発生率が最も低く、(B)と(C)はともに中度および重度の咳の発生率が低いという結果に。
結論としてスフェンタニル誘発の咳は、麻酔導入時に30mg/kgのMgSO4を予防的に使用することで、効果的かつ安全に抑制できる可能性があることを示唆しています。


参照:Magnesium sulfate inhibits sufentanil-induced cough during anesthetic induction

マグネシウムと咳の関係 論文②マグネシウムは咳の発生率を下げる

【PubMed】に掲載された研究では、全身麻酔を受ける患者へマグネシウムを噴霧することで、咳の発生率や重症度を下げることが明らかになりました。

方法

全身麻酔時には呼吸管理目的でチューブを気管に入れるため、手術後に喉が痛かったり、声が少しかすれたりすることがあります。
患者を4つのグループに分け、手術の15分前に「ケタミン」「硫酸マグネシウム250mg」 「硫酸マグネシウム500mg」また対照として「生理食塩水」が噴霧されました。
チューブを抜いた後、患者に 0、2、4、12、24 時間後に術後の喉の痛み、声のかすれ、咳を評価してもらい、咳の発生率と重症度に与える影響を比較。

参加者

硬膜外麻酔と全身麻酔の併用下で腹部と下肢の選択的手術を受ける患者60名

結果

ケタミンと硫酸マグネシウム500mgは、術後0、2、4時間で喉の痛みを、術後0時間で声のかすれを統計的に有意に減少させました。
生理食塩水と比較すると「ケタミン」「硫酸マグネシウム250mg」「硫酸マグネシウム500mg」が噴霧された患者はすべての期間で喉の痛み、声のかすれ、咳の発生率と重症度が減少しました。


参照:Comparison of Usefulness of Ketamine and Magnesium Sulfate Nebulizations for Attenuating Postoperative Sore Throat, Hoarseness of Voice, and Cough

マグネシウムで咳をケアする3つの方法

マグネシウムと咳の意外な関係⁉︎仕組みや論文などもご紹介

マグネシウムを摂取するといっても、どう摂取したらいいのかわからない方もいらっしゃるかと思います。

そこで、マグネシウムの主な摂取方法を3つご紹介させていただきます。

  1. 食事でマグネシウムを摂取する
  2. サプリメントでマグネシウムを摂取する
  3. 経皮吸収でマグネシウムを摂取する

以下で一つずつ詳しく見ていきましょう。

食事でマグネシウムを摂取する

バランスのいい食事は、マグネシウムの摂取だけでなく、すべての栄養素の摂取についてもベストな選択といえるでしょう。

しかし、仕事や学業、家のことや育児で毎日を慌ただしく過ごす現代人にとって、1日に必要なマグネシウムを食事だけで補おうというのは、あまり現実的ではないかもしれません。

もちろん、栄養バランスのいい食事メニューを考えて調理し、3食しっかりとマグネシウムを摂取できればそれに越したことはないのですが、それが難しい場合はこれから紹介する以下の2つの方法も併用するとよいでしょう。

また、忙しくてなかなか自分では食事が用意できない方や、ついついコンビニを利用される方は、下記の記事をご参考にしていただき、マグネシウムが豊富な食品を摂るようにしてみることをおすすめします。

コンビニで買えるマグネシウム食品10選!手軽にマグネシウム補給!

サプリメントでマグネシウムを摂取する

食事からだけの摂取が難しいと感じる方は、必要に応じてサプリメントでマグネシウムを手軽に摂取することを始めてみてはいかがでしょうか。

その際に気をつけていただきたいのが、サプリメントの選び方です。

マグネシウムが含まれているサプリメントであれば、どれでもいいというワケではありません。

ポイントは、サプリメントでマグネシウムを補う場合には、細胞膜と同じ成分であるリポソームを活用した『吸収率に着目した』サプリメントを選ぶということです。

どのサプリメントを選んだらいいのかよくわからいという場合は、医師などに相談したり、ネットで色々と検索してみると自分に必要なサプリメントが見つけられるかもしれません。

また、オーガニックサイエンスでは、リポソームや吸収率といったそれらの条件を満たした上に、100%天然由来成分でできていて、純日本産のサプルメントをお届けしています。

気になる方はぜひ、ご参考にしてみてください。

経皮吸収でマグネシウムを摂取する

実はマグネシウムは経皮から摂取することが可能です。経皮摂取の身近な例でいいますと、入浴剤がわかりやすいかと思います。

入浴剤によってはマグネシウムが含まれており、経皮吸収することで体と心をリラックスさせたり、疲労回復や温浴効果を高める効果があるのです。入浴剤以外にも、肌に直接塗るタイプの「マグネシウムバーム」でも経皮吸収ができます。

効果としては、肩こりや筋肉痛、足のつり、アトピー、妊娠線の改善なども!副次的にマッサージによるリラックス効果も期待できるでしょう。

人によっては肌に塗ると刺激が強くヒリヒリ感じる方もいらっしゃるため、製品を選ぶ際は一度テスターやサンプルなどで試されると良いかもしれません。

下記の「マグバーム」は100%天然由来な上、防腐剤や合成界面活性剤などは一切使用しておらず、お肌にやさしいマグネシウムバームに仕上がっています。

まとめ

今回はマグネシウムと咳の関係についてご紹介しました。

マグネシウムの働きの一つである「筋肉の弛緩」が、気管支の筋肉を緩めて咳を鎮めることにつながるなんて、思ってもみなかった方がほとんどではないでしょうか?

このこと以外にも、マグネシウムは私たちの体や健康に大きな影響を与えています。

ぜひ今回の記事をきっかけに、マグネシウムの秘めたパワーを他の記事でもご覧になってみてください。