マグネシウム不足が引き起こす症状とは?1日に必要な摂取量や予防法も解説

現代では食生活の変化や食事の欧米化などに伴い、日本人のマグネシウム摂取量は不足しやすい傾向にあります。マグネシウムが不足することで、わたしたちの体や健康にどのような影響があり、またどんな症状が起こりえるのか?今回はマグネシウムの摂取不足により引き起こされる症状や、1日に必要な摂取量、予防法などを解説していきます。

なぜ、マグネシウム不足で症状が起きるのか?

マグネシウム不足が引き起こす症状とは?1日に必要な摂取量や予防法も解説

マグネシウム不足でなぜ体に異変が起こるのか?その答えを知るためには、まずマグネシウムの働きを理解する必要があります。以下の順番でマグネシウムについて理解を深めていきましょう。

  • マグネシウムの主な働き
  • マグネシウム不足が症状を引き起こす理由

マグネシウムの主な働き 

マグネシウムは体に欠かすことのできないミネラルの一つです。成人の体内には約20g〜30gのマグネシウムが存在し、60%は骨や歯、残りは筋肉や脳・神経に含まれています。

体内の約800種類以上もの酵素反応に関係しており、わたしたちの生命維持に重要な役割を果たしているマグネシウム。

その働きの一部をご紹介すると、、、

  • タンパク質の合成
  • 体内のミネラルバランスの調整
  • 骨の強度の維持
  • 神経伝達の制御
  • 心機能の維持
  • 体温や血圧の調節
  • 筋肉の弛緩
  • 便秘の改善

など、マグネシウムは体内で多種多様な働きをしていることがわかるかと思います。

以下の記事ではマグネシウムの働きや効果について、さらに詳しくご紹介していますので、あわせてご覧になってみてください。

マグネシウムの効果を徹底解説!効果の理由や必要な摂取量も

マグネシウム不足が症状を引き起こす理由

マグネシウムが不足すると体に不調が現れるのは、マグネシウムが体内で多くの働きを担い、健康維持に欠かせない重要な役割を果たしているためです。

言うなれば、マグネシウムは体内のあらゆる機能をサポートする潤滑油のようなもの。

不足してしまうと、機械に不具合やエラーが発生するように、体にも様々な症状が現れるのです。マグネシウム不足により、実際にどのような症状が現れるのか次の章で確認していきましょう。

マグネシウム不足で起こる代表的な6つの症状

マグネシウム不足が引き起こす症状とは?1日に必要な摂取量や予防法も解説

ここからはマグネシウム不足による具体的な症状について、解説していきます。

代表的な症状は以下の6つです。

  • 筋肉の痙攣(けいれん)やこむら返り
  • 骨の健康低下
  • 不安感やイライラ
  • 不眠症や睡眠障害
  • 頭痛や偏頭痛
  • 不整脈や高血圧

一つずつ詳細を確認していきましょう。

筋肉の痙攣(けいれん)やこむら返り

マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩に関与しているため、不足すると筋肉が急激に収縮しやすくなります。このことが筋肉の痙攣やこむら返り、しびれなどを引き起こします。

こむら返りについては、こちらの記事で詳しくまとめていますので、併せてご参照ください。

こむら返りの原因と対策!足がつる症状を予防する方法 こむら返りの原因と対策!足がつる症状を予防する方法

骨の健康低下

骨といえば、真っ先にカルシウムを思い浮かべる方が大半かと思いますが、マグネシウムも骨の健康に関わっています。

カルシウムとマグネシウムのバランスが崩れると、骨密度の低下や骨粗しょう症のリスクが増大する可能性があります。 

丈夫な骨と健康な歯を保つためにも、日常的に十分なマグネシウムを摂取するよう心がけましょう。

不安感やイライラ

マグネシウムは、神経伝達物質のバランスを調整する役割も果たしています。

そのため、マグネシウム不足が続くと不安感やイライラ感が増し、精神的なストレスを感じやすくなることがあります。

長期的にそのような状態が続けば、抑うつなどにも進行しかねないため注意が必要です。

不眠症や睡眠障害

睡眠の質を高めるためには、神経がリラックスしていることが重要です。

マグネシウムは神経のリラックスを促進するため、不足してしまうと布団に入ってもなかなか眠りにつけなかったり、夜中に何度も目が覚めたりすることがあります。

マグネシウムを意識的に摂取することで、より良い睡眠を手に入れられるようにしましょう。

頭痛や偏頭痛

マグネシウムが不足することで、血管の収縮や神経伝達の異常が起こり、結果として頭痛や偏頭痛を誘発することがあります。

偏頭痛の具体的なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、脳の血管が拡張し、その周囲の神経が刺激されることによって引き起こされると考えられています。

偏頭痛についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご参照ください。

マグネシウム 片頭痛 【マグネシウム不足と片頭痛】原因や改善策、論文などをご紹介します

不整脈や高血圧

私たちの心臓は筋肉の一部です。

マグネシウムは心臓の筋肉を弛緩させ、正常なリズムを維持する役割も果たしています。

それゆえ不足してしまうと、心臓が不規則に動く不整脈になる可能性も。

また、血管壁の細胞内マグネシウムが減ると血管が収縮することで、血液の流れが滞り、高血圧のリスクも上がってしまいます。

マグネシウムの不足で体に不調が現れることがわかったところで、マグネシウムが不足してるかどうかの基準値となる、1日に必要なマグネシウム摂取量を次項で把握していきましょう。

マグネシウム不足の症状を引き起こさないための摂取量は?

マグネシウム不足が引き起こす症状とは?1日に必要な摂取量や予防法も解説

1日にどのぐらいマグネシウムを摂取すればマグネシウム不足による症状を回避することができるのでしょうか?

厚生労働省がまとめた以下の報告書で確認していきましょう。

性別男性女性
年齢(歳)推奨量 (mg/日)推奨量 (mg/日)
1~2 7070
3~5 100100
6~7130130
8~9170160
10~11210220
12~14290290
15~17360310
18~29340270
30~49370290
50~64370290
65~74350280
75以上320260
妊婦(付加量)+40
授乳婦(付加量)+0

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

マグネシウムの推奨量を理解したところで、今度は一例として30代の実際のマグネシウム摂取量(1日)と比較してみましょう。

男性30代のマグネシウム【推奨】摂取量

約370㎎/日

男性30代のマグネシウム摂取量

約236㎎/日

マグネシウム不足量

134㎎/日

女性30代のマグネシウム【推奨】摂取量

約290㎎/日

女性30代のマグネシウム摂取量

約205㎎/日

マグネシウム不足量

85㎎/日

参考:厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」

比較して見ると、

男性

約134㎎/日の不足

女性

約85㎎/日の不足

男性、女性ともにマグネシウムの摂取量が毎日足りていない状況です。

では、この不足分を解消するためにはどうしたらいいのか、次の章でその解決策を解説します。

マグネシウム不足の症状を予防する3つの摂取方法

マグネシウム不足が引き起こす症状とは?1日に必要な摂取量や予防法も解説

グネシウムは体内で合成できないため、どうしても体外から摂取する必要があります。

そこで、マグネシウム不足を予防するための代表的な3つの摂取方法をお伝えします。

  • マグネシウム不足による症状を予防する方法① 食事
  • マグネシウム不足による症状を予防する方法② サプリメント
  • マグネシウム不足による症状を予防する方法③ 経費吸収

それでは早速、1つずつその内容を確認していきましょう。

マグネシウム不足による症状を予防する摂取方法①
食事

マグネシウム摂取の基本となるのが食事です。

バランスのいい食事はマグネシウムだけでなく、体に必要な他のミネラルや栄養素も摂れるため、理想的な摂取方法といえます。

以下の一覧はマグネシウムを多く含む食材をまとめたものです。

食品名100gあたりマグネシウム含有量(mg)
ひじき640
きな粉260
玄米ごはん110
ほうれん草40
バナナ32
そば(ゆで)27

参考:文部科学省「日本品標準成分表2020年版(八訂)」

「食事でマグネシウムを摂りすぎることはないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

ご安心ください。

普通の食事であれば、マグネシウムの過剰摂取を気にする必要はありません

厚生労働省は以下のように報告しています。

“なお、サプリメント以外の通常の食品からのマグネシウムの過剰摂取によって好ましくない健康影響が発生したとする報告は見当たらないため、通常の食品からの摂取量の耐容上限量は設定しなかった”


引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

さらに「Harvard T. H. Chan School of Public Health’s Department of Nutrition」も、食事によるマグネシウムの過剰摂取は安全だと提言しています。

“Extra magnesium from food is safe because the kidneys will eliminate excess amounts in urine. ”

「マグネシウムは腎臓から尿として排出されるため、食品から過剰に摂取しても安全である」

引用:Harvard T. H. Chan School of Public Health’s Department of Nutrition「Magnesium」

下記の記事ではマグネシウムを豊富に含む食品をランキングでお伝えしています。

ぜひ併せてご参照ください。

マグネシウムが豊富な食べ物ランキング!実際の食事で比較してみた!

マグネシウム不足よる症状を予防する摂取方法②
サプリメント

現代人の食生活を見る限り、食事だけで1日のマグネシウムの必要推奨量をまかなおうとするのは、相当難しいことでしょう。

そんな場合は、サプリメントなどで補うのも一つの手です。

さまざまな効果を体にもたらすマグネシウムですが、細胞内に吸収されにくいという側面もあります。

サプリメントの構造や種類によっては細胞にうまく吸収されず、下痢などのマイナスの症状を引き起こしてしまう可能性も。

したがって、サプリメント選びには十分気を付けるようにしましょう。

下記ではマグネシウムの種類について詳しくご紹介しています。

ぜひサプリメント選びの判断基準にご利用ください。

マグネシウムの種類 【マグネシウムの種類】サプリで見かける10種類の効果と特徴

マグネシウム不足による症状を予防する摂取方法③
経費吸収

最後に紹介するのは、皮膚からマグネシウムを体内に摂り入れる方法です。

海外ではエプソムソルト(硫酸マグネシウム)、つまりバスソルトとして一般的に使われているのですが、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれません。

入浴してマグネシウムを経費吸収できるだけでなく、温浴効果で血行の促進、疲労感・コリ・痛みの緩和、ストレスの軽減などが期待できます。

その他にも、マグネシウムを含有したスキンケア製品などを使ってみてもいいかもしれません。

体のどこにでも直接塗ることができ、マッサージをしながら塗り込むことで、エプソムソルトと同様の効果を得ることができます。

「マグバーム」は100%天然由来成分の香り豊かなマグネシウムバームです。

初めてのバームとして、ぜひ一度お試しください。

まとめ

今回はマグネシウム不足による症状や1日に必要な摂取量、予防法などを解説しました。

マグネシウムは私たちの健康を支えるうえで、欠かすことのできない重要なミネラルです。

不足してしまうと体にさまざまな症状や不調が現れる可能性があります。

ぜひ今回の記事をご参考にしていただき、バランスの取れた食事やストレス管理を心がけ、必要に応じてサプリメントを利用するなど、体内のマグネシウムを維持するようにしましょう。