マグネシウムが豊富な食品の効果とは?吸収率を高める摂取方法と注意点

マグネシウムは健康維持に欠かせないミネラルの一つであり、便秘解消や筋肉の正常な働き、血圧の調整などに重要な役割を果たします。

海藻や豆類に多く含まれるマグネシウムですが、食品からの吸収率が低いため、効率よく摂取するにはいくつかの工夫が必要です。

本記事では、マグネシウムを多く含む食品とその効果、吸収率を高める方法、注意点について詳しく解説します。

マグネシウムが豊富な食品一覧

マグネシウムが豊富に含まれた食品は、私たち日本人にとって、とても身近な食品でもあります。

以下は、代表的な食品とその含有量です(100gあたり)。

食品名マグネシウム含有量分類
あわ270mg穀類
全粒粉140mg穀類
玄米110mg穀類
あずき 乾燥120mg 豆類
えんどう豆 乾燥360mg 豆類
黄色大豆 乾燥220mg 豆類
きなこ 260mg豆類
木綿豆腐 130mg豆類
あおのり 素干し1400mg海藻類
あおさ 素干し3200mg海藻類
いわのり 素干し340mg海藻類
昆布 素干し490mg海藻類
ひじき 乾燥640mg ゆで37mg海藻類
えだまめ ゆで72mg野菜
食品100gあたりのマグネシウム含有量mg

ご覧の通りわかめなどの海藻類、玄米などの穀物にもマグネシウムが豊富に含まれています。

ただ、現代人の多くは白米やパンを主食としていることが多く、のりやひじきの煮物、海藻類などを食べる人も減っています。生活に忙しく、できるだけ簡易な食事で済ませようと、洋食に偏りがちな人や、飲酒や過度の疲れもマグネシウム不足の原因となります。

つまり、現代人はマグネシウム不足になりやすいということなのです。

マグネシウムの主な効果

マグネシウム 食品 効果

マグネシウムは体内のさまざまな機能をサポートする必須ミネラルです。

厚生労働省が運営している健康サイトe-ヘルスでは、マグネシウムについて以下のように述べています。

(マグネシウムは)人体に必要なミネラルの一種です。成人では、体内に約20g~30gが存在し、その約6割はリン酸マグネシウムや炭酸水素マグネシウムとして骨や歯に含まれ、残りは筋肉や脳・神経に存在しています。300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。マグネシウムが不足すると骨の形成に影響が出るほか、不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんを引き起こします。また神経過敏や抑うつ感などが生じることもあります。

e-ヘルスネット

もう少し詳しくご紹介すると、マグネシウム自体の効果は以下の通りです。

  • 筋肉の収縮(筋肉を緩める)
  • 神経伝達物質をスムーズに運ばせる
  • 体温や血圧の調整
  • 骨への影響や関節炎の改善
  • 不整脈や狭心症の改善サポートや予防
  • 高血圧や筋肉のけいれんの改善
  • 足などが「つる」「こむら返り」を抑える
  • リラックス作用
  • 便を柔らかくする

酵素とは私たちの体の中に「変化」をもたらす物質です。

例えば私たちが食事をするとエネルギーが造られます。

食事は口内から胃や腸などの消化器を経て、血流に流れ、細胞でエネルギーとして使われるのですが、このすべての過程で酵素が関わっています。

食事を細かく分解するのも、腸へ栄養を取り込むのも、それらをエネルギーに変換するのもすべて酵素の働きによるものです。

酵素だけでも300種類といわれていますが、これらは800以上もの化学反応に関与しているといわれています。

参考:「MetaCyc」

そしてマグネシウムはこうした体内の変化に伴う酵素の働きを助ける重要な役割を担っています。

マグネシウムにはさまざまな効果があり、それが豊富な食べ物が健康的な体作りに役立つのです。

マグネシウムを食品から摂るのが最適な方法?

マグネシウム 食品 効果

マグネシウムはサプリメントや薬を通じても摂取できますが、可能であれば食品から摂るのが最も健康的です。

自然界で育つ植物や動物がマグネシウムを含むのは、それ自体が成長に必要としているからです。

そのため、食品として摂取することで、体にとって最も自然な形で補給できると考えられています。

ただし、食品から摂取することが必ずしも効率的とは限りません。

マグネシウムの食品からの吸収率は約30%とされており、他のミネラルと比べても低めです。

そのため、効率的に補うには適切な摂取方法を意識することが重要です。

参考:「審議会、研究会等の議事録等」厚生労働省

食品からマグネシウムを十分に摂取することは、現実的には難しい場合があります。

マグネシウムの推奨摂取量は男性30代以降で約370mg/日、女性30代以降で約290mg/日です。

例えば、30代男性が食品だけでマグネシウムを補おうとした場合、素干しあおのりを約26.4g摂取する必要があります。

しかし、市販のあおのりは一般的に1袋約2.5g程度のため、毎日10袋以上を食べなければなりません。

これは現実的に難しく、食事だけで十分なマグネシウムを確保するのは容易ではないことが分かります。

マグネシウムを食品から補うための注意点については、つぎの項目で詳しくご紹介します。

食品からマグネシウムを補う時の注意点

マグネシウム 食品 効果 注意点

マグネシウムにはさまざまな効果があり、食品から安全に摂取することができますが、毎日細かな注意と工夫を継続しなければ、マグネシウム不足を引き起こしかねません。

食品からマグネシウムを補う時の注意点は主に3つです。

吸収率に注意

先ほどもお伝えした通り、マグネシウムは吸収されにくいミネラルのひとつです。

万が一吸収率が少なければ、腸が調節しながら多めにマグネシウムを吸収しようとしますが、そのためにはそもそも十分なマグネシウムの摂取が必要です。

また、マグネシウムが豊富な食材の多くが、「乾燥」もしくは「生」の状態で記載されていることが多く、これらを加熱調理すれば含有量が減ってしまうということも覚えておく必要があります。

食品の質に注意

マグネシウム 食品 効果

先ほど、「自然界で成長する植物や動物にマグネシウムが含まれるのは、それら自体にもマグネシウムが必要だから」とお伝えしましたが、みなさんが口にしている食品は本当に「自然界」で成長したものでしょうか?

いくらマグネシウムを摂取できるからと言って、ホルモン剤や抗生剤などを投与されて育った肉や魚、化学肥料と農薬によって成長した植物などをたくさん食べれば逆に体に悪影響を与えることになります。

特に海の汚染が問題となっている中、養殖されているのりも、天然のりでさえも信頼できる製品を探すのが難しくなっています。

マグネシウムを補い健康の効果を高めるためにも、安心して摂り入れられる食品選びを心がけましょう。

その他の成分に注意

マグネシウムが多く含まれる食材は、平均して栄養価が高いものが多いです。

だからこそ、食品からマグネシウムを摂取する際には、マグネシウム以外の成分にも注意が必要になります。

例えば、玄米や大豆はマグネシウム以外にも不溶性の食物繊維が豊富なことでも有名です。

不溶性食物繊維はお腹をキレイにし、腹持ちが良いためダイエット効果も期待できると言われることがありますが、実は日本人の多くにとっては便秘の原因になっている可能性があります。

便秘のお悩みがある方は下記の記事も併せてご参照ください。

便秘の原因は食事?マグネシウムが豊富な食品と正しい取り入れ方

また、マグネシウムに注目しすぎて、三大栄養素であるタンパク質、脂質、糖質がバランスよく摂取できなくなり、栄養に偏りが生じることも考えられます。

そうしたことから、何かひとつの栄養素や効果にだけ着目して食事を管理するのは難しいということがわかりますね。

マグネシウムを効果的に摂るためのコツ

マグネシウムを効果的に摂るためには、食事管理の他にもサプリメントや栄養ドリンクなどを活用する方法があります。

ここで注意するべき大事なポイントがひとつあります。

それは、多くのサプリメントは、マグネシウムを補えても肝臓に負担をかけている可能性があるということです。

一般的なサプリメントは肝臓で代謝され、マグネシウムが血液に放出されて、細胞内に取り込まれていきます。

サプリメントを短期間や数回飲んだくらなら、肝臓も元気に代謝してくれますが、これが毎日何年も続くとどうなるでしょうか?

肝臓はフル活動するのに疲れて、徐々に働きが弱まってしまうのです。

そのため、マグネシウム不足を解決するには、肝臓に負担がかからないサプリメントを摂り入れることがポイントとなります。

よく、「乳酸菌サプリや酵素サプリは腸まで届くカプセルを選ばないと意味がない」と言いますが、それと同じように、マグネシウムサプリもしっかり選ぶ必要があります。

食事からマグネシウムを十分に摂るのが難しいという人や、より効果的にマグネシウムと摂り入れたいという人は、ぜひ参考にしてください。

肝臓に負担をかけないサプリメントの製法としては、リポソームを使ったものがあります。

細胞膜と同じ成分であるリポソームは通常のサプリメントとは異なり、肝臓を通らず細胞と結合しやすいという特徴があります。

そのため、マグネシウム不足を感じているひとはリポソームでマグネシウムを包み込んでいる製品をリサーチしてみてくださいね。

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まとめ|マグネシウムを食品から摂取するには工夫が必要

今回はマグネシウムが多く含まれる食品とその効果についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

注意点やコツなどもぜひ活用してみてくださいね。

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Aya

1988年生まれ。ヘルスケアライター歴7年。3児の母。カリフォルニアの大学で学んだ細胞栄養学や予防医学をもとに、最新の論文や研究などをお届けします。